日本には選挙に出る自由がありますが、しかしながら高額な供託金を捻出せねばならないことから、出たくても出られないという意見も多く聞かれます。
そもそも選挙に掛かる費用は供託金以外にも種々掛かることから、金銭的に余裕のある人でないと出られないものでもあります。
選挙に於ける供託金の発祥はイギリスとされていますが、日本ほど高額ではありません。先進国の中でも日本が突出して高額な設定となっており、そのため地盤・看板・鞄のない人には非常に厳しい世界でもあります。
勿論、最近では地方議会を中心に、もっと積極的に選挙に出てみようという動きもあり、そういう趣旨の本も出版多数されているような状況ですが、じゃあ実際にどのくらいそういう人が立候補して受かっているのかというとまた別問題でもあります。2世3世議員が少なくないことからもよくわかるでしょう。
では、なぜ供託金が必要なのでしょうか。
供託金の意義として、候補者の乱立を防ぐためというのがまず挙げられます。
日本では1925年制定の普通選挙法より定められ、時代を追うごとに金額が改定されてきた経緯があります。
勿論、普通選挙法が制定された1925年というのはまだ女性には参政権がない時代でしたし、普通選挙法では男性とはいえ、住所不定者や貧困により他者から施しを受ける人は対象外とされていました。
現在の公職選挙法では、年齢が満18歳以上では日本国籍を持つ人であれば誰でも投票できます(禁錮刑執行中の人等を除く)。普通選挙法から見ればかなり自由になったものです。今の選挙権なんてこれ以上自由にしたら無法地帯になるレベルではないでしょうか。
それでも普通選挙法の時代から変わらず、供託金がないと選挙に出られない理由とはなんでしょうか。
古くは1926年発行の「普通選挙法要義」(豊文社 刑事法学会著)には「他人の当選妨害や売名目的での立候補を防ぐため」という旨の記載があります。高額な支払いをしてでも選挙に出たい人だけを候補者に据えるための篩として設定されたものなのでしょう。
しかし、今話題の東京都知事選挙ですが、どうでしょうか。過去最多の21名が立候補しています。
貶めようというわけではありませんが、中には本気で都知事になりたいというよりも宣伝目的の人もいるかもしれません。宣伝費用と考えれば、都知事選に出るための供託金300万円など安くはないけど高すぎもしないでしょう。ハードルは高いですが、一定以上のラインを越えられれば供託金が返ってくることも考えると、政見放送なんてタダでCMを流せるようなものです。(とは言え、都知事選のような大きな選挙になると、票が集まるのはどうしても目立つ候補者だけですが)
私個人として、やりたいこともなしに「やってみた」感覚で選挙に出る人なんかを含む無用な乱立を避けるための制度は必要だと思います。
政治資金規制法や公職選挙法等、選挙や政治家に関わる法律はもっと議論されて然るべきなのではないでしょうか。
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