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選挙ポスターはなぜ雨にも負けない?

参議院選挙が終わって息つく間もなく都知事選挙に都議会議員補選と、大型選挙続きで、報道各社も連日連夜取り上げてなんだかお祭り騒ぎのような日々です。しかし、これも今週末まで。投票先はお決まりですか?

さて、6月にはほとんど雨がなかったにも関わらず、7月からポツポツと雨が降り始め、都知事選の告示以降は雨の日も多くなってきましたが、掲示場に貼られたポスターは依然として貼られた日のままきれいに保っています。
選挙ポスターの多くがなぜ雨ニモ負ケズ、ふやけて皺になったり破れたりしないのでしょうか。
陣営によって違うでしょうが、選挙ポスターは通称ユポ紙もしくはユポタック紙と呼ばれる特殊な素材でできていることが多いということが挙げられます。ユポを製造しているユポ・コーポレーションのサイトには、このユポについて以下の説明があります。
ユポタックはユポの裏面に糊剤がついているもので、わざわざワッポン等を用意しなくてもそのまま貼れるようになっているユポ紙を指します。大きい選挙になると殆どの候補者がこれを使用しています。
ちなみに、「ユポ」はユポ・コーポレーションの製造する合成紙の商標登録された名称になります。

ユポ®はフィルム法合成紙であり、主原料はポリプロピレン樹脂で、これに無機充填剤と少量の添加剤を加えたものを原料として、原理的には先に述べた二軸延伸フィルム成形によりミクロボイドを発生させながら成膜されたものです。最も特徴的なのは製品厚さの厚い物から薄い物まで、ベースとなる基層とその両表面に積層された紙状層とで構成され、多層構造になっているということです。

紙というのは通常植物のパルプを原料にしているのですが、このユポ紙の主原料はポリプロピレン樹脂となっています。
つまり、ユポ紙は「紙」と言いながらも紙ではないのですね。そのため、雨に曝されてもふやけないし破けないのです。

勿論、すべての候補者がユポを使っているわけではありません。
一般的にはユポ以外ですと、コート紙が多いでしょう。コート紙は上・中質紙にコート剤や白土を塗布したツルツルの紙を指します。
また、いずれの素材を使用しても、印刷時のインキは光による退色を防ぐために耐候性のインキを使用することが多いでしょう。
場合によっては、通常インキを用いることもありますが、屋外掲示すること・貼り直しの手間等を考えると通常インキよりも耐候性インキ、コート紙よりもユポ紙の方がおすすめです。

ちなみに、選挙ポスターは通常公費負担で作成することができます。
一定以上の得票数を得ることができていれば、例え落選したとしてもポスターの作製費用は、候補者と契約した業者に選挙管理委員会から直接支払われる仕組みとなっているため、候補者本人が建て替える必要はありません。

池端まゆ子

池端まゆ子ジャッグジャパン株式会社

投稿者プロフィール

好きな季節は夏。
世の中の何が正しいのか常に考えている。この世のあらゆる物事を目にし、あらゆる料理を食べることが人生の命題。

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