日本のこころを大切にする党タウンミーティングレポート(05/11)
- 2016/5/20
- 特集記事
そろそろクールビズだろうか。そんなことを考えながら、仕事を終えて駅前のオフィスビル群から駅へ向かう人たちとは逆の方向へ進んで行く。今回は日本のこころを大切にする党によるタウンミーティング「IFCON」に参加してきた。目玉は何といっても参議院議員和田政宗氏の講演である。
会場は大宮駅前のオフィスビルの1室であった。少々早めに到着。年齢層は70代以上の方が多いのだろうか。受付を観察する。開始時間が近づくにつれ、仕事帰りのように見受けられる20~40代の層がちらほらやってきだした。最終的には約半数が高齢者層、4割ほどが働く世代のように見受けられた。大学生もいるようだ。私の学生時代は大学が終わったらバイトに直行する日々の繰り返しで、こういう会に行くなんて思いつかなかったな、とふと思う。
各席の机上にはさまざまな資料が置かれている。共産・社会主義系のビラは目にすることが多いが、保守系のビラは初めて目にする。右も左も、ビラに関して言えば意外とある種似た空気感があるような気がする。もちろん、書かれている内容は全く違うが。
たとえば憲法改正を呼び掛けるビラ。使用しているフォントだったり、パッと見で目を引かせるための色使いというのは似たようなものだったりして、一瞬どきりとさせられる。
さて、18時半になり開始時間となった。壇上には大きな日の丸が掲げられている。
まずは国歌斉唱である。全員起立し、国歌を歌う。というか、まさかの国歌斉唱。ビビる。そして国家斉唱なんて何年ぶりだろうか。大学の卒業式は東日本大震災により中止となってしまったので、おそらく大学の入学式以来である。
政党のタウンミーティングに参加するのは初めてなのだが、どこの政党も国歌斉唱するのが通例なのだろうか。いや、絶対しない党もあるよな…
国歌斉唱後は、一礼し、着席。国会斉唱後に一礼するというのは本当に初めてかもしれない。
正直、日本のこころを大切にする党、といえばYouTubeでも視聴できるあのジングルのイメージが強かったため、BGMとして流れるのではないかと内心思っていたりしたのだが、違ったようだ。興味がある方はYouTubeで「日本のこころ」で検索頂くと一番最初に出てくるのでご視聴頂きたい。お祭りの音頭のようなもので、一度聴いたら頭から離れないメロディーである。良くも悪くも。
続いて、次世代政策研究会という政治団体の設立総会も兼ねているということでその紹介になった。次世代政策研究会会長中村匡志氏が壇上で話す。こちらの下調べ不足だったため、一瞬頭の中が「???」となってしまい追い付かなかったが、この次世代政策研究会は次世代の党の埼玉13支部を源流とし、次世代の党の綱領を引き継ぐ形で発足した会のようである。この会は現在日本のこころを大切にする党の一派閥であるとのこと。
次に次世代政策研究会の綱領奉読ということで、白鬚を蓄えた男性が起立し読み上げた。
どこの政党もこういうのは含まれるのだろうか。今後さまざまな党の会にも行くつもりなので比較してみたいところ。
読了後は次世代政策研究会の役員人事紹介、そしてヘイトスピーチ抑止法案に対する反対声明の発表と続いた。
現在提出されている法案では外国人及び外国人の子孫については守られても日本人に対するヘイトが放置されてしまい、日本人が差別されることに繋がるため取り下げてほしいという内容である。また、文中には外国国章等損壊罪を日本国旗にも適用するよう求める文も含まれていた。
与党案のヘイトスピーチ抑制法が可決されたが、どうなるだろうか。現在罰則は盛り込まれていないが、今後の政局次第だろうか。
続いて来賓の紹介である。来賓者は現職の埼玉県議会議員や市議会議員、また独自の活動をしている人もいた。興味深かったのは、北朝鮮による拉致被害者返還のための署名活動をしている方がいたことだった。毎月第2日曜にJR浦和駅前で活動しているとのこと。北朝鮮拉致被害者と言えば、小泉政権時代に曽我ひとみさんら拉致被害者が数名北朝鮮から返還されて帰国したが、その後帰国が叶った人はなく、たまにニュース等で聞くだけのワードだった。その為、「北朝鮮拉致被害者」という言葉自体久しぶりに聞いたような気がしたが、活動を続けている人はいたのだと気づかされた。
そして、本日の目玉である和田議員の講演である。
残念ながらその瞬間を撮り逃したが、日の丸に一礼してから登壇する姿が印象的であった。
話は多岐にわたるため詳細は割愛させて頂くが、テーマとしては参議院選挙と今後の動向についてである。
まずは今回の選挙では憲法改憲派の政党で2/3以上の議席を取らないと憲法の改正には至らないこと、ゆくゆくは前文からすべて変えた自主憲法にしていきたいことなどが述べられた。しかしながら、憲法改正を争点にすることは改憲派にとって票につながるとは言えないことから、経済政策を前面に出して選挙戦に臨みたいとのことである。
なぜ自主憲法にこだわるのかということについては、そもそも現行の日本国憲法はGHQが作成したものであることや、外国からの脅威を未然に防ぐことができないものであるためということであった。まずは議席を確保し、それから現在の日本国憲法の成り立ち自体を世論に問うていきたいという。
もちろん、経済政策についても述べられており、和田議員が経済政策に力を入れていきたいのだろうという様子が見受けられた。党として消費増税については反対であり、また和田議員としては逆に5%に戻すべきであると考えているとのことである。
財源として20兆円が必要であるが、安倍政権の成果として現在70兆円の積立金が残っていることから、この財源を使用していま話題の保育士の給料を上げることもできるし、それでもまだ余るだろうとのこと。そのためそもそも増税は不要であり、逆に消費が冷え込んで日本経済が沈没してしまう恐れがあるという。また、消費喚起策も講ずるべきであると論じ、「バラマキと言われるかもしれないが」と付け加えつつ、現在具体的な案を党内で練っているところであるという。
その他上がった話題としては、和田議員の事務所に仙台市内の中学生が10名ほど訪れた話、北方領土について、北朝鮮拉致被害者の奪還、また先日自身のtwitterでも書かれていたが、沖縄の辺野古で活動家から暴行を受けたことなど。
沖縄の辺野古で土地を不法占拠してテントを張って抗議活動をしている活動家に対し、土地の不法占拠を止めて合法的なやり方で抗議をするよう注意したところ暴行を受けたとのことである。また、テント内には沖縄タイムス・琉球新報の記者がおり、テントの中から写真を撮られたりもしたとのこと。テントの垂れ幕にはハングルや簡体字も散見されたという。
話が移り変わり、しめくくりに入る。今後は伊勢志摩サミット終了後から国会閉会までが山場となるだろうとのこと。おそらく、そのあたりのタイミングで自民党から消費増税再延期を言い出すだろうという。安倍政権の掲げる「戦後レジームの脱却」「次の世代に謝罪を引き継がせない」について評価し、いまこそ憲法改正をすすめるべきであると述べ、
夏の参議院選挙に対する意気込みを語り、和田議員の講演は終わった。
最後は質疑応答の時間である。
この日の朝和田議員のご祖母様が天寿を全うされたため、すぐに葬儀に向かわねばならないとのことで時間が短縮されたが、3名の質疑応答がなされた。
質問で面白かったのは、花粉症対策についてである。
和田議員からは、次世代の党時代の政策に林業対策として書いたという。自然災害対策も兼ねて現在山に植えられている杉をすべて伐採し、別な木にすべきであると考えているとのこと。まさかの花粉症対策について質問があるとは思わなかったし、たしかに全国の山に植えられた杉が原因であるし、林業対策…なるほど。
そして、何より国会議員というのは身内のご不幸があっても講演のキャンセルができないのだということにも衝撃を受けた。
今回参加する前は、上のほうでも書いたが「にっぽんーのこーころ、にっぽんーのこーころ」のイメージで気楽に考えていたが、なかなかガチだった。
ガチすぎる部分はだいぶ割愛させて頂いたのだが、少しでも伝わっただろうか。伝わらないか。
今回初めて政党のタウンミーティングに参加してみたのだが、今回のタウンミーティングを通じて、さらに多くの政党の会にも参加してみようと思った。
前回は地方自治体のタウンミーティングであったため、町が何をやっているのか発表を聞くような感じだった。(これもこれで知らなかったことがわかってよかったが。)
しかし、今回は政党のタウンミーティングということで、その政党が何を考えているのか、ニュースや新聞だけでは伝わらないことを聞けたことが大きな収穫である。これをたくさんの政党の会に参加して比較してみたいところ。
和田議員と言えばTwitterやニコニコ動画などでも歯に衣着せぬ発言で有名だが、生だともっとガチだった。いろんな意味で。これだけでも今回行ってよかったと思える。
やはり政治家はいろいろな意味でトークが命なのだとつくづく感じた。であるからして、やはり私は政治家に向かないこと請け合いである。
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