政治資金の私的流用をめぐる疑惑が報じられている東京都の舛添要一知事が、5月20日14時から行われた定例会見の中で自身の疑惑について説明しました。
定例会見の冒頭は、ホール・劇場等に関するいわゆる2016年問題の東京都の緊急の取り組みのついての都政について説明がありましたが、記者からの質問等は一切なく、5分もせずに終了。注目される舛添知事の政治資金の私的流用をめぐる疑惑についての説明にうつりました。
舛添知事は、「私の政治資金に関しまして、さまざまなご指摘を受け、都民のみなさまをはじめたくさんの方々に心配とご迷惑をおかけしていますことを心から深くおわび申し上げたいと思います。」と一礼。一週間前の5月13日の定例会見で、週刊誌に報じられた点について調査し説明をしたものの、説明がわかりにくいことや信じがたいという批判の声に対し、真摯に受けとめていると話しました。そして、これら批判に対し、弁護士など第三者の専門家に関係政治団体の支出についての調査を依頼する考えを明らかにしました。
会見は約2時間15分ほどにわたって行われました。
各メディアに全文掲載されているので、TheVote.jpでは要約して取り上げます。
千葉県木更津市のホテルでの支出の疑惑について
「千葉県木更津市のホテルでの支出は本当に会議を開いたのか、誰と何人で会議を開いたか説明するつもりはないのか」という質問に対して、「そういう疑念を抱かれていることは全く恥ずかしい。政治資金に精通した弁護士に依頼し、きちんと対応したい。」と答え、「先週の会見で先方のプライバシーの問題もあるので、と説明されていましたが、それはどなたが何に出席したか把握した上での発言では?」と念をおしたもの、「細かいことにつきましては、今も申し上げましたように第三者の厳しい公正な目に任せたいと思っている。」と説明し、自身の言葉で語ることを避けました。
「妻は家族です」
「知事の支出の計上の考え方として、奥さんと一緒に会っていたときに政治資金で計上していたか?」という質問に、「政治資金を見て、調査をして、そういうケースがあったのかどうかのかを見てもらって、私自身もヒアリングを受けて、対応したい。」と話しました。
また、千葉県木更津市のホテルでの支出の際、「事務所関係者等」に奥さんが含まれるのかという問いには、「妻は家族です。」と説明し、「事務所関係者等」という中に奥さんが含まれていないことを明言しました。
「奥様は政治研究所の代表ということだが、それでも、2人で話した時は会議という認識か。」とつっこんだところ、「今、問題になっているのは、そういうことの認識というよりも、政治資金の収支報告書を点検していただいて、「会議」と書いてあった場合、その内容はどういうことであったかを調べるということが前提なので、そうでなければ、今の質問には非常に答えにくい。」とぼかしました。
また、「毎年のようにお盆と正月に少なくとも7万円以上の支出をしており、知事は、家族旅行で政治資金を使った認識はないか。」という質問には「そのことも第三者の厳しい目で精査をしてもらいたい。」とお決まりのフレーズで流した。
美術品をネットのオークションで買った件について
「政治資金収支報告書をしっかりと精査して、事実を確定していただいて、調査結果が公表されるので、その上で対応したい。」と説明。知事自身の感覚と一般の人たちの感覚のずれへの指摘にも、「厳しい第三者の目で公正に、まずは調査してただく。」と繰り返しました。
さらに、購入した美術品137点の所在についても「それについても、どういうものなのかきちんと調べて、「どこにありますよ」ということも含めて、厳しく第三者の目で見て、そして疑念を払しょくするような形での説明ができるように調べてもらいたい。」と話し、転売についても否定しました。
また、5月16日にヤフオクの「ymasuzoe」というIDが削除された件については、「ymasuzoe」というIDは本人のものと認め、舛添知事の名前でシューマイ50点(計4万9000円)の発注があったことなどなりすまし被害にあったことから削除したと説明しました。
第三者による調査について
「調査の費用は自身で負担するのか」という質問に「もちろん、自費で負担する。」と答え、その調査の結果、適切な使い方でないと判断された場合、「弁護士の指示があると思うので、それに従いたい」と説明しました。
第三者の弁護士の選定については、「まず、政治資金規正法にしっかり精通した方にお願いする。そして、厳しい、公正、そういう目で見ていただけるという方を、今、選定をお願いしている。」と説明し、また知事自らがお願いするとのこと。「知事自身が選ぶと知事に寄った立場で見るのでは?」という質問には、「今、複数の方に当たっている。まだ名前を出すわけにいかないことはご理解を。どなたが見られても、この方なら、私にひいき目だとか、そういうふうに思われない方を選びたいと思う。」と説明しました。
また、複数に打診しており、複数の調査を行う予定。
政治とカネの問題について
猪瀬前知事が辞任したあと、舛添知事は政治とカネの問題を批判して知事になったにも関わらず、自身が次々と疑惑を報じられていることについて、「繰り返しになるが、都民の皆さんに大変申し訳ない。しっかりと反省して二度とそういう批判を受けることがないように努力をしたい。」と謝罪し、「真摯に反省して、仕事で信頼の回復に努めたい。」と説明しました。
「『クリーンな政治』を掲げて当選したのに、何年にもわたってグレーなことを続け、グレーまみれで居座り続けることについて、政治学者・舛添要一としては、どう考えるか。」という質問に対しては、「今、私は都知事の立場なので、そのことに対する答えは差し控えたい。」と話しました。
辞任について
注目されていた辞任についてですが、「全力を挙げて都民のために尽くしたい」「いい仕事をして都民の信頼を回復したい。」と知事を続けていく考えを示しました。
会見を終えて
終始、「厳しい第三者の公正な目で」を繰り返し、まるで他人事のような印象を受ける会見で、知事は説明する気があるのか?と疑問に思った人も多かったと思います。実際に、ニコニコ生放送では「今回の知事の説明で、あなたは納得できましたか?」というアンケートを実施。結果は以下の通りになりました。
予想通りの結果といっても過言ではないでしょう。
第三者による調査を経て、舛添知事はどのように説明するのか、進退はどうなるのか。今後も動向に目が離せなそうです。
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