年度末に工事が増えるのは予算を使い切るためではないってホント?!
- 2016/3/31
- 特集記事
年度末になると、道路工事が増え「今年も予算の消化か…」なんてぼやいている人も多いのではないのでしょうか。
道府県や市町村などの地方公共団体に対して、収入の格差をなくすために国から交付される地方交付税交付金といいます。これを年度中に使いきらずに国に返還すると、来年度はその分を差し引いた額しか貰えなくなってしまいます。そのため、この交付金を道路工事で消化しているのではないかという声が毎年のようにあがっています。
なぜ年度末に工事が増えるの?
そもそも、なぜ年度末に工事が増えるのでしょうか?もっと計画的に1年中に満遍なく工事できるようにすればいいと思いませんか?
この疑問に答えるなら、答えは「工事はそもそも増えていない」です。え?!どういうこと?!!!
年度末に工事が増えているように感じるのは、年度末に工事が集中しているためです。これは、道路工事の計画が1年単位で行なわれているためです。地方公務員法で、1年の予算を作成して4月から3月で運用することが定められています。そのため、4月以降に工事が発注され3月末までに工事を終わらせるようになっているのです。予算の枠を取った後、道路工事の入札を開始します。この際、談合防止のための入札方式が複雑化しているので、契約までの時間がとてもかかってしまいます。そのため、契約が秋ごろになり、その結果、測量や現地調査を終わらせて着工するのは冬になってしまうのです。また、工事の順番を考えても、まず地下の水道管やガス管などの工事を行い、その後に道路の補修工事に取り掛かるので、その結果、年度末に多くなってしまうとも言えるでしょう。
道路工事が本当に無駄遣いなのか?
年度末に工事が偏ってしまう理由はわかりましたが、どうして予算を使い切るために工事をしているなんて声があがったのでしょうか?
道路工事には大きく分けて2種類あります。バイパス工事や立体交差の工事、歩道を新しくつくるなどの道路改良工事と、「家の前の道路が陥没している」「ガードレールがボロボロで子どもが危ない」など市民の声から行う工事です。当たり前ですが、道路も老朽化します。そのため、道路工事は無数にあると言っても過言ではなく、特に市民からの声も年間で数百から数千件も自治体に要請があるそう。しかも、それが毎年増えているといいます。そのため、年度内に余った予算を使って出来る限り必要な小さな工事をしているという事実もあります。着工までに時間がかるという前半までの話も事実ですが、優先度の低いものに関しては年度末に処理という形になってしまうために、国民からは無駄遣いのように誤解して見られてしまうということです。
また、同じところばかり掘っているような気もしませんか?これも、無駄に行っているのではありません。地下には水道管やガス管など、それぞれに所有者が異なるものが埋まっており、それぞれが工事を行うと、まず一つの企業の工事が終了すると、次の企業の工事が行えるように道路の仮舗装が行われ、それが繰り返されたのちに最終的な舗装がされるため、何度も工事しているように感じるのです。仮舗装が無駄と感じるかもしれませんが、これは事故やトラブルの責任の所在をきちんとするためだそう。
予算の設定がおかしいのでは?
しかし、ここまで説明されると今度は、予算が余らないように組めば誤解も生まれないしいいのではないか、という意見がでるでしょう。しかし、予算が余るのにも理由があるのです。先ほども述べたとおり、役所の道路工事は入札方式で行われます。つまり、より安く見積もりを提示した会社が選ばれるため、本来見積もっていた額よりも安く工事できる会社があればその分予算は余ることになります。
道路工事に関してはこのように無駄遣いをしているわけではないのかもしれませんが、このような誤解が生まれてしまったのにも、普段から税金を無駄遣いしているという印象が強いためではないでしょうか。道路で国民に還元してるなんてドヤ顔は国民には通用せず、普段から無駄遣いしないでくれっていうのが国民の本音と言えるでしょう。
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