18歳未満の虐待通告過去最悪の結果に、対策続々と
- 2016/3/30
- 特集記事
18歳未満の虐待通告過去最悪の結果
警視庁は3月24日、2015年の1年間に全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数が過去最高の3万7020人となったことを発表した。
虐待の内容別では、暴言を浴びせる心理的虐待が2万4159人と全体の65%。殴る等身体的虐待は8259人、育児怠慢・拒否は4431人、性的虐待は171人。性的虐待のみ前年比3%減だが、あとは全て増加している。
児童虐待の通報ダイヤル「189(いちはやく)」
厚生労働省は2015年7月、児童虐待の通報をしやすくするため、全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」を設けた。受け付けは24時間、365日可能。
電話すると、通報者の住む地域を担当する児童相談所につながり、職員と話すことができる。通報後、児童相談所は原則として48時間以内に子どもの安全や虐待の有無などを確認することになっている。
「189(いちはやく)」なのに、いちはやくないことが問題に…
しかし、この「189」、つながりにくいことが問題になっていた。「189」導入までは専用ダイヤルの番号は10桁であり「189」の3桁にしたことで、入電数がそれまでの約15倍に増加したことが原因のひとつだという。皮肉にも、児童相談所につながる確率がそれまでの約49%から約11%に低下していた。
また、「いちはやく」の語呂合わせにもかかわらず、とにかく自動音声が長いということも問題になっていた。特に携帯電話からかけた場合、最寄りの児童相談所窓口につなげるのに、利用者の住む地域の郵便番号を入力する必要があり、音声案内が長く入力操作にも手間がかかり、とても緊急とは思えないほどの時間がかかっていた。あまりにも時間がかかることから、つながる前に電話を切ってしまうケースも多いという。
新年度から音声案内短縮決定。その他にも対策続々!
これに対し、厚生労働省は29日、新年度から音声案内を70秒から30秒に短縮することを発表した。冒頭と途中の操作の案内なども短くすることで、利便性を高めるという。
また同日29日、児童相談所の体制と権限を強化することを盛り込んだ児童福祉法などの改正案が閣議決定された。これにより、児童相談所が虐待の疑われる家庭に強制立ち入りする手続きが簡略化される。また、虐待を受けた子どもを親から引き離す「一時保護」についても、親の同意が得られなくても積極的に行うことのできるよう、児童相談所の運営指針を見直すことを、厚生労働省が発表した。
電話1本で救える命があるのに…
虐待は命に関わる問題だ。これほどまでに緊急を要する問題に、自動音声というのに違和感を感じざるをえない。一本の電話を即座に対応することで、救える命も多いのではないだろうか。人とお金をつかうべきところはここではないのか、と思ってしまうのは私だけではないだろう。
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