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23区の外国人事情(1)――1年間で「外国人人口」が一番増えた地域は?

2015年に行われた「国勢調査」は、5年に1度の調査です。集計作業にも時間がかかるため、結果が公表されるのは早くて1年半程度先と言われています。統計として利用する際、この更新頻度を歯がゆく思った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、総務省が公表している「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」という統計を利用します。住民基本台帳とは、「自治体ごとにもっている住民票の台帳(まとまり)」ですが、一定期間の住民票の増減をカウントすることで、「リアルタイムに近しい人口統計」として利用しているのです。これにより、居住実態を元に行う国勢調査とは違う方法で、人口がどのように移動・変動しているかを見ることが可能になります。

「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」は、毎年7月ころ、その年1月1日現在の各都道府県、各市区町村ごとの人口が公表されます。
今回はこの統計を元に、「東京23区の外国人人口」が地域ごとにどう変動しているか、見てみたいと思います。前年(平成26年1月1日時点)と比べた、外国人人口の増減率を地図にしてみました。

(総務省)「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成27年1月1日現在)」

(総務省)「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成27年1月1日現在)」

区名の下にある数値は、増減率の値です。23区すべての地域で外国人人口が増加していることがわかります。また、都心三区と言われる千代田・中央・港では他の区に比べて外国人人口の増加率が低く、城東(江東・江戸川の2区)と城北(板橋・北・豊島など)での増加が目立ちます。

インバウンドだけでなく、実際に日本で暮らしている外国人がどのような街を選び住み始めるかを知ることで、見えてくる23区それぞれの特徴もあるのではないでしょうか。

次回は、外国人人口の国籍内訳からさらに地域ごとの違いを見ていきます。

宇田川 藍

宇田川 藍ジャッグジャパン株式会社

投稿者プロフィール

1989年生まれ。幼いころ体験したユビキタス技術に興味をもち、大学では空間情報学を専攻(青山学院大学総合文化政策学部)。地理情報システム(GIS)を用いたエリアマーケティングの手法やオープンデータの利活用を、大手企業から政治の分野にまで幅広く提案している。
アート、ハイテク、街歩きが好き。

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