転入転出人口マップ2015(市区町村単位)
- 2016/4/29
- 指標ウォッチ
総務省は28日、政府統計の総合窓口(e-stat)にて「住民基本台帳人口移動報告(年報(詳細集計))年次-2015年」を公開しました。「住民基本台帳人口移動報告」というのは、「1年間(1月1日~12月31日)の住民票の増減(転入・転出)」に基づいて作成された統計情報です。
※詳細はこちらの記事参照。
人口の増減には「2種類」ある?
人口が変化すること、つまり人が増えたり減ったりすることを人口統計学では「人口動態」と呼びます。ある地域の人口が増減する要因としては、「出生・死亡」と「移動(転入・転出)」が考えられ、前者の「出生・死亡」による増減のことを「自然動態」、「移動(転入・転出)」による増減のことを「社会動態」と呼びます。
今回は統計表より、「10 他市区町村からの転入者数,他市区町村への転出者数及び転入超過数」のデータを取り挙げます。「移動」、つまり社会動態について見ていくことになります。
(1)「人口の転入超過数」マップを見る
※左上「>>」を押すと凡例が見えます
※市区町村をクリックすると、ポップアップで「他市区町村からの転入者数」「他市区町村への転出者数」「転入超過数」が表示されます
大きなマップで表示
この地図は「(転入者数)-(転出者数)」の数を元に色をつけました。赤色が濃くなるほど人口が増加しており、青色が濃くなるほど人口は減少しています。全国的な傾向で見ていくと、「真っ青」です。青が多くて赤が少ない、ということは「人口が、広範囲から、特定の地域へ移動している」と捉えることができますので、世間一般で言われる「人口の一極集中」という状態の深刻さがよく分かります。自治体にとって、人口の流出(減少)は税収の減少に直結しますし、地方交付税交付金の算定時にも不利(人口が変数の一つなため)になります。人口減少は行政にとって、規模の縮小そのものと言えるのです。
(2)「転出者数に対する転入者数」マップを見る
※左上「>>」を押すと凡例が見えます
※市区町村をクリックすると、ポップアップで「他市区町村からの転入者数」「他市区町村への転出者数」「転入超過数」が表示されます
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一方こちらの地図は、「(転入者数)÷(転出者数)」の割合を元に分類しています。分母を「転出者数」にすることで、「1を大きく超えるほど流入度合いが高い地域」「0.9から小さくなるほど流出度合いが高い地域」と言えるでしょう。一見(1)の地図と同じような色塗り(特に赤いところ)に見えるのですが、よく見ていくと違うことが分かります。増減数ではなく割合で見ているため、「人口がより多く流出(流入)している」地域を全国で比較して見ることが出来ます。例えば静岡県浜松市天竜区は、(1)のマップで見ると青色ではありますが、薄い青色で、数としてはそれほど深刻な人口流出に見えません。ところが(2)の地図では濃い緑色となっており、転入者に比べて転出者の数が2倍であることから、周辺の地域に比べて流出が激しいことがよく分かります。
筆者末筆
市区町村は全国に1,899あります。そのうち(転入者数に比べ)人口転出者数の方が多い自治体は70%にも上り、ほとんどの地域で流出が続いています。日本全体の人口も減り始めたこの時代、己の地域の人口がV字に回復し増えていくことばかりを考えていてもそれは机上の空論になりかねません。自治体の規模を「実情へ合わせた適正なサイズ」へ調整し維持していくこともこれからの行政にとって無視できない課題のひとつとなりえるのではないでしょうか。
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