地方交付税マップから見る、自治体の中央政府依存度
- 2016/3/1
- 指標ウォッチ
「地方交付税制度」とは、各地方での選挙戦、特に首長選挙などでもキーワードとしてよく聞く言葉ではないでしょうか。総務省は、この制度を下記のように説明しています。
地方交付税は、本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税」 (固有財源)という性格をもっています。
(via 総務省:地方交付税)
平たく言うと、「自治体によって税収があまりにもばらついてたらまずいよね・・国税として徴収したお金を自治体の現状に合わせて山分けするよー!」という仕組みです。額の計算式は非常に複雑で*1、人口規模や寒冷補正なども加味された上で算出されます。
今回は、市町村ごとに算出される地方交付税の額を人口で割り、「一人あたりの地方交付税額(円)」を地図にしました。自治体ごとの中央政府依存度、とでも言うべき実態が見えてきます。
※地図はPC/モバイルで表示できますが、読み込みに多少時間がかかります
※左上「>>」を押すと凡例が見えます
※自治体をクリックすると、ポップアップで詳細が表示されます
地図へのリンクはこちら
北海道は雄大な自然を有していますが、赤色(一人あたり高)が突出して多くなっています。
一方で、関東から北九州にかけて、太平洋側沿岸の地域では青色が多く、相対的に一人あたりの地方交付税額は低いことが分かります。この辺りは一般に「太平洋ベルト」とも呼ばれますが、一人あたりの地方交付税額は産業の集積度合いと深い関係があるのかもしれません。
他、グレーアウトしている市町村もあり、これらは「不交付団体」と呼ばれる対象外の自治体です。「税収のみで市の事業をまかなえると試算された自治体」が主で、対象は毎年度変わります。平成27年度は60団体が対象となりました。7,8年ほど前は140もの団体が不交付団体とされていましたから、この変動だけを見ても地方行政の変化に驚きを隠せません。東京23区については、別理由により不交付団体とされています。*2
また、地図で見ると「黄色」のところは「(全国で比べて高くも低くも)どちらでもない」といった額の自治体です。その意味では、地方創生事業において「岐路」に立っている市町村、と言えるかもしれません。
皆さんも、ぜひ上記の地図を拡大して気になる地域について詳しく見てみて下さい。
さて、2月下旬には2015年国勢調査の速報値も発表されましたが、私達が人口減少時代を生きているという現実に改めて直面する調査結果となりました。
その上で、隣り合う地域でもこのように全く違う財政状況にあるということは、これからの地方を考える上では外せないファクターとなり得るでしょう。
注釈—
*1 詳細は総務省のPDFを参照下さい
*2 「都と特別区は一体として一つの団体とみなされているため、(中略)交付対象団体となっていません。」(via 東京都)
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