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政党要件を失うとどうなるの?政治団体にメリットはない?

参議院選挙が終わり1週間が経ちました。
今回も悲喜こもごも、さまざまなドラマが繰り広げられました。
筆者も出張先で、お客様とは関係のないとある候補者の選挙事務所にお邪魔して当確情報を待っておりましたが、残念ながら当該候補者はあえなく落選、スタッフや支持者のさみしい横顔を見つつ、今回のために作ったのであろう似顔絵入り煎餅をもらって帰りました。

さて、今回のテーマは政党要件です。
政党要件とは何か?と言いますと、以下のように定められています。

(1)所属国会議員が5人以上
(2)所属国会議員が1人以上、かつ、次のいずれかの選挙における全国を通じた得票率が2%以上のもの
○ 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
○ 前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
○ 前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)

今回の参議院選挙では、社民の2.74%がボーダーとなり、残りの生活、こころ、改革、幸福、支持なし、怒りの声、その他諸派はすべて2%以下となりました。
また、この中で議席が1以上ある党は社民、生活、こころ、改革でしたが、党首荒井氏のみが持っていた議席も今回で失ったことに伴い政党要件を失いました。
また、生活の党も前回の衆議院選挙で得票率1.9%と2%に届きませんでしたが、現職の国会議員が6名ですので、引き続き政党要件を維持しています。生活の党は今後社民党と統一会派を組むようですが、もしかするとこのまま新党結党もあるのでしょうか。
日本のこころを大切にする党は前回衆議院選挙には次世代の党として出て得票率が4%、今回の得票率が選挙区1.7%、比例が1.3%とかなりの危険水域です。元々日本維新の会だったのが維新と次世代になり、さらに次世代からこころになるときにおおさか維新に移った人が何人かいた経緯もありますがどうなるでしょうか。

政党であるメリットというと、やはり政党交付金を受け取れることです。
政党交付金の総額は、国勢調査の人口×250円を基準として、国の予算で決まります。平成22年国勢調査人口により算出すると、約320億円という額ですから大きな額です。
各政党に交付される額はそれをさらに所属する国会議員の人数、前回の衆議院議員総選挙、前回・前々回の参議院議員選挙の際の得票数によって決まります。
ちなみに、自民党は今回の参議院選挙を受けた交付額の算定見直しにより約175億円の交付となる見込みです。衆議院議員だけでも289名、今回の選挙での当選も55名と巨大政党ですから、それだけ入る額も大きいのです。

では、政党要件に満たない政党の扱いはどうなるかと言うと、政治団体扱いになります。上記の政党要件でお気づきの方も多いと思いますが、幸福実現党、支持政党なし、維新政党新風などは政党ではなく政治団体となります。
政治団体については、以下のように定められています。

 

(1) 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること
(2) 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること
 

では、政治団体なのにどうして選挙の比例に出られるのか?というと、名簿届出団体として登録しているからです。
政治団体であるメリットは政党交付金がない以上、それほど魅力的とは思えません。
しかし、特定の地盤は無くとも全国的な知名度がある人で、特定の既存政党に属さずにやりたい人であれば、名簿届出団体として比例選挙に出るのも良いでしょう。
しかし、政党でないと政党交付金がない分、資金面や広報面で厳しい戦いとなるでしょうが、やり方次第でもあるでしょう。

池端まゆ子

池端まゆ子ジャッグジャパン株式会社

投稿者プロフィール

好きな季節は夏。
世の中の何が正しいのか常に考えている。この世のあらゆる物事を目にし、あらゆる料理を食べることが人生の命題。

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