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選挙前の文書図画違反は「事務所開き」に気をつけよ

参議院議員選挙が7月に施行されるにあたり、各選挙事務所は目下、選挙への準備に忙しいようだ。これに対応するように、警察庁は各都道府県警察に対し、参議院議員選挙に向けての選挙違反取り締まりを強化するよう下命しており、既に対策本部が設けられている。また、一部報道ではすでに文書図画違反に対する警告などの対応も取られているようだが、選挙期間前に気をつけるべき項目とは具体的に何になるのだろうか。

ポスターの剥がし忘れ

もっとも件数が多いのは、ポスターの剥がし忘れと言われている。今回の参議院議員選挙直後に任期満了を迎える議員にあたっては、その任期満了から6ヶ月前(おおよそ今年1月頃)から任期満了日までの間、候補予定者1人のポスターを貼ることはできないとされている。候補予定者1人のポスターがダメというのは、逆に言えば2連ポスターや3連ポスターなどと呼ばれるものは問題ない。各陣営はおおよそ、この切り替えの時期に「1人ポスター」を剥がし、同じ場所に2連ポスターを貼るのが一般的だが、ポスターの貼る場所を管理していない場合など、1人ポスターが残ってしまっている場合がある。この場合には、文書図画違反となり、選挙管理委員会から警告が来ることが多いだろう。政治活動用ポスターは全国津々浦々で見られるものなので、選挙違反(警告)事例としてカウントされるのも非常に多い。

事務所開きの案内

選挙事務所開きの文言についても同様だ。選挙事務所開きや出陣式は、選挙期間の直前にはスケジュールを決まっており、事前に連絡をする必要がある。後援会名簿などに対して事務連絡として送付することが一般的だが、これを不特定多数に対して送付することは、態様によっては選挙違反と見做されることもあるだろう。また、選挙事務所開きや出陣式の案内というタイトルであっても、実質的なビラなど事務連絡の域を超えていれば、これも認められないことがあるだろう。

投票依頼の文言

くわえて、よくやりがちなのが投票依頼の文言である。上記のような選挙事務所開きや出陣式の案内は、事務連絡という形で特定少数に送付される場合であれば、問題になることは少ないだろう。しかしながら、身内におくる郵送物だからといって、選挙期間前に具体的な投票依頼の文言の入った郵送物を送ることは問題になる可能性が高い。選挙期間中の郵送物(公選はがき)と混同してしまったり、文言をコピペしてしまうことで起きてしまう可能性も高いため、送付文面のダブルチェックは必須と言えるだろう。

大濱﨑 卓真

大濱﨑 卓真ジャッグジャパン株式会社 代表取締役社長

投稿者プロフィール

1988年生まれ、三鷹育ち。青山学院高等部卒業、青山学院大学中退。国会議員秘書、システム開発会社でのサラリーマンを経て、2010年独立。東日本大震災の際には、帰宅困難者向けに避難所を地図にした Google Maps「東京都内避難場所」を震災発生直後にリリースし話題に。現在は、選挙コンサルタント、自由報道協会記者という立場のほか、教育系会社取締役など、複数の法人役員を兼務している。

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