認知症等サポートする成年後見制度、利用促す議員立法成立
- 2016/4/8
- 特集記事
4月8日午後衆議院本会議で、成年後見制度の利用を促す議員立法が、与党と民進党などの賛成多数で可決、成立した。5月中には施行される見込みだ。
成年後見制度とは、認知症や知的障害など判断能力が十分でない人に代わり、不利益を被らないようサポートし、財産管理や契約行為を行う制度のことだ。
成年後見制度には、利用する人の状態によって、法定後見制度と任意後見制度の二つに分けられる。任意後見制度は将来に備えて自分で選定するものだが、法定後見制度は申し立てを受けたのち、家庭裁判所が選定する。家庭裁判所は、判断が不十分な場合には補助、判断が著しく不十分な場合には保佐、判断がほとんどできない場合には後見をたてる。
2000年に始まった制度だが、現状としては利用している人は少ない。これは、あまり知られていない制度ということもあるが、親族が後見人である場合、家庭裁判所の監視は行き届かず、財産を横領するといった事件もあることから、第三者の後見人が不足していることも理由だ。
今回の成年後見制度の利用促進法は、後見人の人材確保を国の責務と位置づける内容で、政府に制度の利用を促す施策や目標を盛り込んだ基本計画を策定、政府は首相が会長の「促進会議」を設置し、施策実施状況を年に1度公表するというものだ。
また6日の参議院本会議では、成年後見人の権限を拡大する改正民法などが、与党と民進党などの賛成多数で可決、成立していた。これは、家裁が認めた場合に被後見人宛ての郵便物を開封・閲覧したり、被後見人の死後に火葬手続きをしたり、相続人に引き継ぐまで財産を保存できる規定が設けられており、10月に施行される予定だ。
成年後見制度は確かに、認知症などの老人を狙った詐欺などの犯罪を防ぐ面で一定の役割を果たしてきた。しかし、後見人による着服や横領などの事件が絶えないことも事実である。今後、高齢化や非婚化にともなう独居老人の増加からも、成年後見制度はさらに必要にせまられるだろう。そのため、事件防止への対策がひとつの課題だろう。また、被後見人がよりきめ細かな意思決定ができるような支援が必要になるだろう。
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