総務省がふるさと納税制度から大阪府泉佐野市を除外した決定は違法だとして同市が取り消しを求めた訴訟で、大阪高裁(佐村浩之裁判長)は30日、請求を棄却し国勝訴の判決を言い渡した。多額の寄付集めの是非を巡る国と自治体の対立で初の司法判断が示された。
ふるさと納税は2019年6月の改正地方税法の施行により、参加できる自治体を総務省が指定する制度に移行。返礼品も寄付額の3割以下の地場産品に限定された。同市は法施行前にこの基準を超す返礼品で多額の寄付を集めたとし、他の3市町とともに新制度へ参加を認められなかった。
総務省は法施行前から返礼品の抑制を求める通知を出していたが、泉佐野市は法的な拘束力がない「助言」だとして従わなかった。裁判では法規制前の実態を根拠に同市を除外した判断の是非が争点となった。
泉佐野市は「総務省は実質的に法規制を過去に遡って適用した。裁量の乱用だ」と主張。総務省は「除外決定は改正法に基づく裁量の範囲内。過去の実績も判断基準になる」と反論してきた。
同市は19年6月10日、決定を不服として総務省の第三者機関である「国地方係争処理委員会」に審査を申し出た。係争委は同年9月、除外決定の再検討を総務省に勧告したが、同省は決定を変えず、市が11月、大阪高裁に提訴していた。
泉佐野市は非地場産品を含む高額な返礼品や、アマゾンギフト券の贈呈などで18年度に約498億円と、全国の1割弱の寄付を集めた。08年度に制度が始まって以来の累計では約870億円に達している。
ニュースソース:日本経済新聞など
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