防衛省は28日、与那国島(沖縄県与那国町)に陸上自衛隊の駐屯地を新設し、「与那国沿岸監視隊」(以下、沿岸監視隊)を編成した。隊員は約160人で、地上レーダーより付近の艦船や航空機を監視、情報収集が任務の部隊となる。南西諸島の防衛態勢を強化する狙いがあるという。
駐屯地新設の経緯
与那国島は日本最西端の島だ。沖縄本島から与那国島までの約500kmの範囲は、陸上自衛隊の部隊が配備されていない地域だった。特に尖閣諸島など、日本における南洋諸島の周辺で外国籍の船舶の出入り・活動が頻発して起きていることは広く知られているが、「国境の島」とも言える与那国島での警備体制といえば、「警察官2名」のみだったという。
このような背景を踏まえ、与那国町議会では2008年に自衛隊誘致を決議している。また、2009年の町長選挙では、自衛隊誘致を推進する候補者が当選した。2013年にも再選している。2015年2月には「陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う住民投票」も行われた。有権者1,276人に対し投票率85%を超える1,094の票が投じられ、開票結果「賛成:632票」「反対:445票」により、町民の意向としても賛成派が多いという結果になった。
また、防衛省サイドでも2012年度以降で予算に計上されるようになり、2014年5月には起工式を開催。2016年3月の沿岸監視隊配備となった。
町はどうなる?
沖縄が日本へ復帰した1972年以降で、自衛隊の施設が新設されるのは初めてだという。また、沿岸監視隊の隊員160人とその家族94人は与那国町内へ移転し、町人口の15%は自衛隊関係者が占めることになる。さらに先日の町議会(3月定例会)では、外間町長による「防衛省の30代男性職員を副町長に」という提案も飛び出した。このように一連の駐屯地整備による人口増、町の活性化に大きく期待する声もあれば、「町の自治は将来どうなっていくのか?」と、あまりにも防衛省へ依存するような町政の舵取りには不安の声も見受けられる。
海域の安全保障については一定の評価も得られるだろう今回の駐屯地整備だが、新たに編成された部隊が地域住民とどのように共生していくかも、自衛隊にとっては新たなチャレンジとなるのではないだろうか。
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