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2019年3月の主な政治日程

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今月の政治日程

ポイント

  • 2019年度予算案が2日未明、衆院本会議で可決され参議院に送られた。予算に関しては衆議院の議決が優越するため、年度内の予算成立は確定したと言える。野党は引き続き厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査問題を追及しており、組織的隠ぺい、特に首相官邸の関与がなかったのかが焦点となっている。
  • 米国に関しては、先月末にベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談は合意に至らず、不調に終わった。さらに、米朝首脳会談の最中にトランプ大統領の元側近であるマイケル・コーエン被告が、野党民主党が主導権を握る下院での公聴会に出席し大統領を徹底的に非難する証言を行い、米国のマスコミはこれを大々的に報じた。ロシア疑惑をめぐるモラー特別検察官による一連の捜査の報告書はいまだに提出されていないが、これが提出・公表されればトランプ氏に対する批判が一段と高まることが予想される。
  • 一方で韓国に関しては、決裂した米朝首脳会談を受けて米朝の仲介役を自負していた韓国の文在寅政権の目算が狂ったと指摘されている。徴用工問題で関係が悪化している日韓関係だが、「三・一独立運動」100年式典において、文大統領は慰安婦および竹島問題に触れず日本との関係に配慮する姿勢を見せた。しかしながら、これで日韓の対立が鎮静するかは全く不透明である。
  • 中国では、5日から全国人民代表大会(全人代)が開催される。中国経済の減速と米中の貿易戦争が激しさを増す中、習近平政権が有効な経済施策を打ち出せるかが焦点である。そうでなければ、自らの任期制限を撤廃した習主席への批判が表面化することも考えられる。
  • 英国では、EUからの離脱(3月29日予定)が延期される可能性が出てきた。英政府とEUとの離脱協定案の修正協議が不調に終わった場合、下院議会の採決で離脱日を延期できるとした議案が可決されたためだ。現在のところ、大多数のEU諸国首脳は離脱延期を容認する発言をしているものの、延期の期限は6月までであり今後も多くの波乱が待ち受けていそうである。
鈴木しんじ

鈴木しんじ慶應義塾大学SFC研究所上席所員

投稿者プロフィール

1972年生まれ、東京都中野区出身。東京工業大学博士(理学)。
東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。専門は政治経済学、公共経済学。
個人ホームページ https://www.suzuki-shinji.net/

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