「都構想」を左右した最大の民意は何だ?――2つの数字で大阪市の特別区設置住民投票をふりかえる
- 2015/10/16
- 指標ウォッチ
人が一票を投じるとき、そこには必ず「選んだ理由」が存在します。政策、情熱、経験、はたまた、容姿に惹かれたのか・・。
平成27年5月17日に行われた、いわゆる「大阪都構想」についての住民投票は両陣営の激しい戦いの末「反対多数」という結果に終わりました。開票直後から「キタ・ミナミで賛否が分かれた」「年代で賛否が分かれた」「投票率で賛否が分かれた」など、さまざまな憶測も飛び交い、さらには「出口調査の限界」と言われるほど深い部分でのレビューまで行われております。市民の一票一票が積み重なって可視化されたこの結果、投票内容の匿名性・開票集計作業の不可逆性は大前提としてありながらも、「どうしてこの結果になったのだろう?」という疑問を紐解くヒントになりそうな指標を、本日は用意しました。
今回は2つの数字を比較します。(画像はクリックで拡大します)
大阪市「平成27年5月17日 執行 大阪市における特別区の設置についての投票の開票結果 確定」
大阪市「各区の生活保護の状況(平成27年5月)」
う~む・・やはり数字の羅列だと直感的な判断が難しいところです。そこで、今回はこの2つの表を「地図」にまとめてみます。
いかがでしょうか?「市内で、相対的に生活保護受給率が高いところ」が特段根強い反対へ傾いたことが見てとれます。例えば市の南西部である生野区、東住吉区、平野区などでは、反対割合の高さも生活保護受給率の高さも顕著に表れています。一方で、賛成多数となった区部は市内では相対的に生活保護受給率が低いと言えるでしょう。
また、下記のように散布図を作成してみると、相関係数は「0.47」になり、「中程度の相関」が見られることがわかります。(※異常値として西成区・浪速区の値を省いています)
行政区が統合され、財源や行政サービスなどが大きく変わることに対して「今までと同じように、自分は役所に助けてもらえるだろうか?」といった不安の募った市民が、反対票を積極的に投じたのではと推測されます。
このように、数字を地図に表現してみることで地域間の違いが見えてくることも多々あります。
ひとりひとりの生活者が大きな束となり、民意を生み出します。膨大な指標の海を上手に泳げるようになれば、「選挙が行われる前から対岸(結果)が見える・・」そんなことも不可能ではないのかもしれません。
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