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あなたは外食派?お持ち帰り派?――「平成26年全国消費実態調査」で単身世帯の生活が赤裸々に

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コンビニ間の熾烈なレジ横「ドーナツ戦争」、ファストフードやファミレスが始めた宅配など、「(どこにいても)食べたい時に食べたいものを」がすぐに叶う世の中になりました。私たちの日常で、食を取り巻く環境はここ数年でどう変化しているのでしょうか?

2015年9月30日に総務省が公表した「平成26年全国消費実態調査」の統計情報には、身近な生活の変化を知るためのヒントがたくさん詰まっています。

今回は、その中でも「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」を取り上げます。

まずはこちらの表から。

単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果

出典:総務省(2015)「平成26年全国消費実態調査:単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」

男女別の消費支出構成比です。男性の消費支出1位は「食料」、女性の消費支出1位は「その他の消費支出」で「食料」は2位です。雑誌などの影響もあってか「朝ごはんはグラノーラ、昼はトラットリア、夜はスペインバルでワイン片手に女子会・・」と華やかで食費が高くつくイメージもある独身女性の食生活ですが、割合が突出することもなく、「日々の食費に消えるくらいなら、ほかのことに使いたい!」という本音が垣間見えるかもしれません。

続いてはこちらの表を見てみましょう。

出典:総務省(2015)「平成26年全国消費実態調査:単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」

出典:総務省(2015)「平成26年全国消費実態調査:単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」

「若年勤労単身世帯」というのは、「40歳未満の働いている独身の方」を指します。対2004年のグラフになっており、「単身者の食事シーン」がこの10年間でどう変化したかを見ることができます。また、それぞれの項目は下記のとおり分類されています。

 「素材となる食料」:「穀類」,「魚介類」,「肉類」,「乳卵類」,「野菜・海藻」,「果物」の計
「調理済みの食料」:「菓子類」,「調理食品」の計
「外食」:「外食」
「その他」:「油脂・調味料」,「飲料」,「酒類」,「賄い費」の計

どうでしょう?男性から見ていくと、まず「その他」の割合の低下が目立ちます。分類を見る限り、「酒類」の消費減少傾向が表れているのかもしれません。また、「素材となる食料」利用者つまり「スーパーで買い物する系男子」が+5%以上増えていることもわかります。Amazon内「男の料理(本)」カテゴリの賑わいも頷けます。話題になった「太一×ケンタロウ 男子ごはんの本」は発売が2009年とのこと。もともと料理が得意・趣味な男性に加えて、「料理してみようかな」という気持ちの新規参入組が着実に増えているのでしょう。

一方女性は、いわゆる「自炊組」の割合にあまり変化がありません。そして「外食」の割合が大きく下がり、代わりに「調理済みの食料」を選ぶ人が増えています。「おひとりさま」という言葉も定着し、外食の敷居が大きく下がり身近になったかと思いきや実態としてはそうではないようです。+5%増えた「調理済みの食料」にはお惣菜やお弁当を含みますが、これらを総称した「中食」という言葉をご存じの方も多いのではないでしょうか。コンビニドーナツも、ファストフードやファミレスの宅配も、皆「中食」なのです。「外食」と「調理済みの食料」の差は16%から7%に縮まり、中食の文化が急速に広まったことを示唆します。食においては「作らないけど、選べる」その選択肢が格段に増えた10年だったのではないでしょうか。

 

いかがでしたか?今回は総務省発表の「平成26年全国消費実態調査」から、私たちを取り巻く食の環境変化について考察してみました。

本カテゴリは「生活の中にある数字」をサブテーマに、主に省庁が公表する様々なデータを分かりやすく解説していきたいと思っています。

 

 

宇田川 藍

宇田川 藍ジャッグジャパン株式会社

投稿者プロフィール

1989年生まれ。幼いころ体験したユビキタス技術に興味をもち、大学では空間情報学を専攻(青山学院大学総合文化政策学部)。地理情報システム(GIS)を用いたエリアマーケティングの手法やオープンデータの利活用を、大手企業から政治の分野にまで幅広く提案している。
アート、ハイテク、街歩きが好き。

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