マイナンバーと住基ネットの違いって?
- 2016/1/9
- 特集記事
住基ネットという制度を覚えているでしょうか。
国民に番号をあてていくと聞いて、そんな制度があったことを思い出した人も多いのではないでしょうか。またそれと同時に、住基ネットで活用されている住民票コードとマイナンバー、いったいどう違うの?なんで住基ネットではだめなの?と思った人も多いのでないでしょうか。
住基ネットは、「住民基本台帳ネットワークシステム」といい、氏名、生年月日、性別、住所などを記載した住民基本台帳をネットワーク化し、全国共通で本人確認ができるように組まれたシステムです。しかし、導入費用に約400億円もかけたにも関わらず、参加しない自治体が出てきたり、普及率は5%程度。住基ネットの運用に毎年約130億円もかかってしまうことや、運営法人が官僚の天下り先になること、コストの割りに、身分証明書、パスポートや年金関係の届け出、eタックス(税金のネット申告)の利用程度でメリットが感じられないこと、また、個人情報保護の観点などから、とにかく評判がよくなかったようです。実際には、住基カードは今のところ情報漏洩などのトラブルが少ないといわれていますが、たった5%の普及率だからでは?という声もあるようです。
住基ネットの復習はここまでにして、マイナンバーとの違いという本題に入りましょう。
まず、マイナンバーは12桁の数字、住基ネットの住民票コードは11桁の数字で、別物です。マイナンバー制度導入後も住基ネットがなくなるということはなく、また住基カードは有効期限が残っているものは今後も引き続き利用することができます。しかし、マイナンバー制度で任意で発行する個人番号カードと住基カードは重複して所持することはできないことや、住基カードは2016年1月以降は新規に発行されなくなることから、今後一本化されていくのかもしれません。
次に、住基ネットが国民のわずか5%にしか交付されていないのに対し、マイナンバーは本人の意思に関わらず国内に住む全ての人を対象に通知カードが郵送されるというのは大きな違いでしょう。マイナンバーが住基ネットと違って自治体にも個人にも拒否する選択肢がないのは、マイナンバー制度は本来国が行う事務を地方自治体に委託する、法定受託事務という形をとっているからです。住基ネットは、地方自治体が責任をもって管理運営するという自治事務という形をとっていたため、ここは大きく異なるでしょう。
また、先ほど述べた通り住基ネットのメリットは、身分証明書、パスポートや年金関係の届け出、eタックス(税金のネット申告)の利用などで、印象としては手続きが多少便利になるくらいのものでした。しかし、マイナンバーは、税務、社会保障、災害対策関係の手続き、銀行預金口座との連動、戸籍、パスポート、自動車登録、医療分野、証券分野など利用範囲が拡大。これは、住基ネットが民間利用を禁止していたことに対し、マイナンバーは勤め先の企業や銀行など、民間機関も利用することができるようになったためです。これによって、マイナンバーの適用分野における手続きの簡素化・迅速化、不正受給の防止に役立つと言えるでしょう。
つらつらと述べてきましたが、マイナンバーは住基ネットを土台として納税者番号制度という国の悲願を果たした制度と言えるでしょう。しかし、マイナンバーも導入に初期費用だけで住基ネットの数倍となる推定約2700億円かかり、運営費も年間200億~300億円といわれています。また、住基ネットの時と同様に、管理元が天下り先になるのではという懸念もあります。課題も数多く残るマイナンバーが今後どうなっていくのか、国民にとって良い制度であることに期待したい。
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