熊本地震で消費税10%再延期か、与党「重大事態」解釈
- 2016/4/20
- 特集記事
熊本地震の影響を受けて、安倍晋三首相は消費増税延期を決断するのではないかとの見方が政府、与党内で高まっている。
首相はこれまで消費税増税に関し「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態」が発生しない限り予定通り実施すると説明していた。18日の国会でも、「基本的な考えに変わりはない」と述べていたが、熊本地震が重大事態かどうかに関して、政府、与党内で、「重大な事態」に当たると解釈している。また、消費税増税は、被災者の生活再建や企業活動の足かせになるとの懸念する声もあがっている。
今回の熊本地震は、余震が多く、長期化することも予想されている。インフラの破壊状況が深刻であることからも、復興には時間がかかりそうだ。そこに増税となると、被災者の負担が計り知れない。
また、伊勢志摩サミット前後に増税延期を決断し、衆院解散に踏み切り、衆参同日選になるのではないかという話も以前あがっていた。これは、夏の参院選で野党が増税の是非を争点化すると考えられ、2014年の衆院選に踏み切った際も増税延期に踏み切った後であったことから、首相はこの問題に決着をつけるのではないかとみられていた。しかし、衆参同日選になるとすると、各自治体は5種類の投票用紙の開票作業を行うこととなり、負担がのしかかることとなる。そうなると、被災地の反発は避けられないだろう。
阪神淡路大震災の発生した1994年度は、前年度より3兆円以上の税収落ち込みとなった。今回も無理に増税したところで、税収が落ち込んでは仕方がないという意見も出ている。延期の決断は、伊勢志摩サミット前後ではないかとみられている。
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