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「イスラム国(IS、ISIL、ISIS)」とは何なのか。

トルコ・イスタンブールで12日に起きた10人が死亡した自爆テロについて、トルコ当局は過激派組織「イスラム国」の犯行だと断定した。
ここ数か月、ニュースや新聞などでよく目にする「イスラム国」。ではいったい「イスラム国」とは何なのか。

「イスラム国」は、IS、ISIL、ISISなどと呼称されます。
IS = Islamic State(イスラム国)
ISIS = Islamic State in Iraq and al-Sham(イラク・シャームのイスラム国)
ISIL = Islamic State in Iraq and the Levavt(イラク・レバントのイスラム国)

「イスラム国」は、イスラム教スンニ派過激組織がイラクの北部のモスルを制圧後、2014年6月にイラクとシリアの国境地帯に勝手に国家の樹立を宣言したもの(外交相手として国家と承認した国は無い)で、アブ・バクル・アル・バグダディというイラク人を最高指導者に置いた、大規模なイスラム教原理主義過激派(スンニ派)の武装組織。イラク戦争でフセイン政権が倒れ、まだ新政府が軌道に乗っていない時期に米軍が撤退したことで生じた政治的空白を利用し、かなり強引に勢力を伸ばしていくことになった。

「イスラム国」の目的は、イスラム圏の統一、カリフ制国家の建設。カリフとは、イスラム教の開祖である預言者ムハンマドの後継者。ムハンマドが亡くなった632年~661年の間は、選挙でカリフが選ばれていたが、4代目のカリフであったアリー暗殺後にイスラムが分裂していくことになった。シーア派とスンニ派はこの分裂によって生じたもので、アリーの血統を重視する人々がシーア派、代々のカリフをムハンマドの後継者として認める人々をスンニ派と言う。

「イスラム国」は主にシリア人で構成されているが、インターネットのSNSを駆使し、世界約80カ国で外国人戦闘員の募集を行っているのも特徴のひとつ。外国人はかなり高額の給料で受け入れられているようだ。このなかには日本人も含まれているとも言われている。また、資金源ははじめは油田を乗っ取ることで得た石油の密売で賄っていたが、原油価格の値下がりにより、欧米人などを誘拐し身代金を要求することがメインになりつつあるようだ。これまでフランス、スペイン、トルコなどの国が身代金の支払いに応じ、アメリカ、イギリスが支払い拒否の姿勢を貫いていおり、実際に、身代金を支払ったケースでは人質は無事に解放され、拒否したケースでは殺害されている。

また、「イスラム国」と表記されることから、イスラム教と混同する人が多く、イスラム教が風評被害を受けるという問題も発生した。世界中のムスリムが「あれはただの犯罪集団。断じてイスラム教ではない」と訴え、各メディアも「イスラム教の国」のように単純な誤解をされないよう工夫しているという。

「TheVote」担当記者

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