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ベトナムで性転換を公認する改正民事法が可決

ベトナム議会で11月24日、戸籍上の性転換の公認要件を緩和する民法改正案が80.77%の賛成多数で通過した。これにより、国として性転換を公認することになった。2017年1月1日に施行される予定だ。

改正民事法には、性別の判定に関して、「個人は性別再判定の権利を有する」と明記され、性別再判定は法律に従い実施されなければならないこと、性別が再判定された個人は法律に従い戸籍変更を届け出なければならないことが規定された。また、性転換に関しても、「性転換を行った個人は現在の性別により発生する身分権を有する」と明記され、性転換は法律に従い実施されなければならないこと、性転換を行った個人は法律に従い戸籍変更を届け出なければならないことが規定された。

今まで戸籍変更は、染色体異常がある場合、生殖器の異常が原因で本来の性別と外見が一致しない場合に限って認められていた。つまり、これ以外の場合の性転換者には、戸籍変更が認められていなかった。それが今回の改正民事法により、戸籍変更の対象に、性転換者も入り、法律のもとで保護されることになる、つまり、国として性転換を公認することとなった。これに対して、同性愛者や性転換者などLGBTの人々から歓喜の声があがった。

ベトナムは社会主義国であり、社会主義国では性別適合手術が違法とされていることから、これまで同性愛が法律で禁止されてはいないものの、タブー視されてきた。そのため、性別適合手術を希望するトランスジェンダーの人々は、タイなどの隣国で手術を受けなければならない。性転換が法律のもとで認められたいま、性別適合手術が可能になる日も近いかもしれない。また、セクシャリティについての見方も、法的に認められていくことによって変化していき、LGBTの人々の権利がさらに認められていくことに期待されている。

日本においても11月30日、愛知県男女共同参画審議会でLGBT向け施策の必要性に言及された。県によると、男女共同参画に関連しLGBT向け施策の必要性に言及したのは初だという。また、海老名市議がTwitterで「同性愛者は異常動物」差別発言したことや、岐阜県議が岐阜県議会本会議で「同性愛は異常」とやじを飛ばしたことに関して、批判が相次いでいる。いずれも謝罪された。このように日本でも、LGBTに関して理解を深めようとしつつも、未だに差別的な視線があることも事実だ。

「TheVote」担当記者

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