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衆議院1票の格差問題、最高裁が年内に判決へ

最高裁判所大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は28日、衆議院の選挙区によって投票の価値が異なるのは平等権などを定めた憲法における問題であるという、いわゆる「1票の格差」問題に関する昨年12月施行の衆議院議員選挙の無効を訴える訴訟で、弁論を開いた。午後には結審し、年内に判決が下される見込みだ。

「1票の格差」問題は、憲法第14条に定められた平等権規定と憲法第43条に定められた「国会議員は全国民の代表者」との条文を根拠とし、選挙区ごとの格差が発生することを違憲としている訴訟だ。訴訟では、主に山口邦明弁護士らのグループと升永英俊弁護士らのグループによって主導されている。

昨年の衆議院議員選挙では、各都道府県に最低議席としての1議席ずつを割り振った上で、残議席を都道府県ごとの人口比に応じて配分する「1人別枠方式」を廃止し、かつ小選挙区の議席を「0増5減」して実施していた。最高裁判所はこれまで2009年と2012年に施行された衆議院議員選挙について、それぞれ「違憲状態」であると判断した。今回は、2012年に2・43倍だった格差が2・13倍と縮小したことにより、最高裁がどのように評価するかに注目が集まっている。下級審となる全国の高等裁判所ならびに支部が出した17の判決は、「合憲」が4件、「違憲状態」が12件、「違憲」が1件と分かれた。

仮に違憲状態と審判された場合でも、事情判決の法理が適用されることにより選挙結果が無効となる可能性は低いとみられるが、違憲判決が出た場合には、判決が国会に対して公職選挙法の改正を求める内容となることから、来年の参議院通常選挙で可能性が囁かれている衆参ダブル選挙は厳しくなる公算が高い。

「TheVote」担当記者

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