[Q&A]政治資金規正法違反で有罪でも連座制は適用されないの?
- 2015/10/15
- 公選法Q&A
小渕優子議員の元秘書で前群馬県中之条町長の折田謙一郎被告(67)と加辺守喜被告(62)の判決公判が9日、東京地裁で開かれ、園原敏彦裁判長は折田被告に禁錮2年(執行猶予3年)、加辺被告に禁錮1年(執行猶予3年)を言い渡した。
小渕優子議員をとりまく政治とカネの問題は「クロ」との判決が出た格好だが、そこで問題になるのが、いわゆる連座制の問題だ。折田謙一郎被告や加辺守喜被告はいずれも当時秘書だったため、その違法行為によって小渕優子議員の失職に繋がるのでは、という憶測があった。
結論から言うと、政治資金規正法違反では連座制は適用されない。連座制が適用される範囲には、確かに候補者の父母、配偶者、子、兄弟姉妹などと同列に「秘書」「組織的選挙運動管理者」などと定義されているものの、連座制が適用される犯罪として列挙されているのは、買収及び利害誘導罪(公職選挙法221条〜223条)などに限られている。政治資金規正法の法律違反は確かに重大犯罪ではあるものの、現行の法体系では政治資金規正法と公職選挙法はあくまで別の法律であり、秘書の有罪判決が確定したからといって失職することはない。
そもそも小渕優子議員の問題は、後援会女性部による観劇ツアーに端を発する。政治資金収支報告書によると、2010年と2011年に開催された明治座への観劇ツアーの収入が約742万円に対して、支出となる明治座などへの支払総額が3384万円となったことが指摘された。また、2012年にも観劇ツアーが実施されたにもかかわらず、収支報告書には一切の記載がないことも問題視された。仮にこの政治資金収支報告書が正しいとすると、参加者は不当に安い金額で明治座への観劇ツアーに参加したことになり、主催者たる小渕優子議員の後援会は公職選挙法における寄付行為として罰せられる可能性が出てくる。また、2012年の観劇ツアーのように、選挙直前に実施されたものについては、そのツアーに参加したことが便宜となって投票依頼などがあったと認定されれば、より重い「買収」と見做されるケースもあるだろう。この場合、先に示した通り買収及び利害誘導罪として連座制の適用となる可能性もある。
小渕議員は経済産業大臣(当時)の辞任会見では、あくまで参加者全員が本来支払うべき金額を支払っていたと説明し、政治資金収支報告書の記載が間違えていたと釈明。これにより、公職選挙法上の違法行為ではなく、政治資金規正法の違反行為(虚偽記載)として事件処理されることとなった。
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