[Q&A]一般有権者がメールで選挙運動を行ってはいけないの?
- 2015/9/1
- 公選法Q&A
公職選挙法改正により、インターネット等を利用する方法による選挙運動の解禁がなされ、時代に即した形での選挙運動が実現されることになりました。しかし、この「インターネット等を利用する方法」については、さらに細かく「電子メール」と「電子メール以外のインターネット」とに分けられ、その2つの方法によって利用できる人が限られていたり、一定のルールが設けられています。
電子メールの定義とは?
まず、「電子メール」と「電子メール以外のインターネット」との見分け方ですが、「電子メール」の定義は『特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第二条第一号の通信方式を定める省令(平成二十一年八月二十八日総務省令第八十五号)』に記載があり、下記の2つとされています。
一 その全部又は一部においてシンプルメールトランスファープロトコルが用いられる通信方式
二 携帯して使用する通信端末機器に、電話番号を送受信のために用いて通信文その他の情報を伝達する通信方式
このうち「一」にあるシンプルメールトランスファープロトコルは、通称SMTP方式と呼ばれるもので、メールソフトウェアを設定したことがある人であれば、POP/SMTPの組み合わせで見たことがある人も多いでしょう。メールの送信をするためのプロトコルで、このプロトコルを利用して送信するメールは「電子メール」とされます。より簡潔に言えば、@マークが入るメールアドレスで送受信する電子メールがこれに当てはまります。
また、「二」に当てはまるのは、いわゆるショートメールサービス(SMS)方式と呼ばれるものです。ショートメールサービス(SMS)方式では、相手方の携帯電話番号がわかっていれば、短いメールが送れる機能で、@マークが入るメールアドレスは不要です。しかし、このSMS方式も「電子メール」という位置づけになっています。
以上「一」「二」を総称して電子メールとしていますが、この電子メールを使った選挙活動は、選挙に立候補した候補者や政党(政治団体)等に限って、頒布することができるようになりました(改正公職選挙法第142条の4第1項)。従って、候補者や政党(政治団体)等以外の一般有権者は、引き続き禁止されています。これに違反した場合は罰則規定があり、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第243条第1項第3号)、有罪となった場合には選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。
メールを使わずメッセージアプリを使う
では、一般有権者が特定の相手にインターネットを通じて選挙運動を送ることはできないのでしょうか。結論から言うと、上記「一」「二」に列挙された方法以外の方法を使えば、相手型にメッセージを送って選挙運動を行うことは可能です。
具体的には1つ目に「Facebookメッセージ」や「LINE」、「カカオトーク」などがあります。これらのメッセージアプリケーションは、そのメッセージ通信に「SMTP方式」も「SMS方式」も利用していないため、問題はありません。これらはあくまで「ウェブサイト等のメッセージ機能」という位置づけとなります。これは相手が一人であろうが、複数であろうが問題はありません。ただし、ウェブサイト等を利用した選挙運動においては、「電子メールアドレス等※を表示すること」が義務づけられます(改正公職選挙法第142条の3第3項、第142条の5第1項)。これは必ずしもメールアドレスではなくても問題なく、送信元のアカウントがわかるような、例えばTwitterのアカウントであったり、電子メールアドレス等※を表示することが義務づけられます(改正公職選挙法第142条の3第3項、第142条の5第1項)であっても問題ありません。
2つ目に、SkypeなどのIP電話を使う手段があります。SkypeやChatworkなどでは、1つ目と同様にメッセージアプリケーションとしての機能を有していますから、電子メールとは認められません。また、音声通話についてはインターネットを利用していますが、同様に電子メールそのものではなく、むしろ電話としての性質が強いため、こちらも問題は無いと解されます。
選挙当日は
インターネットを利用した選挙運動は、上記のように一般有権者にも幅広く解禁されましたが、「選挙運動」は選挙期日の前日までに限られており、選挙期日当日の更新はできません(公職選挙法第129条)。ここでいう更新とは、ホームページであればWebページの更新となるほか、上記のようなメッセージアプリの送信なども「更新」と見做される可能性が高いです。この場合、違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、有罪となった場合には選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。
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