[Q&A]このビラは誰のこと?確認団体って何?
- 2016/8/8
- 公選法Q&A
「初の女性都知事を実現させる都民の会」「あたたかさと夢あふれる東京を実現する会」「都政を都民の手に取り戻す会」
これらはすべて先日の東京都知事選の際に活動していた確認団体の名称です。
確認団体とは、参議院・首長・都道府県議・政令指定都市の議員選挙に於いて告示日から投票日までの間に届出をして確認書の交付を受けた主義主張団体を指します。選挙運動できませんが、政治活動はできます。
ちなみに、確認団体の活動では以下の内容が禁止されています。
①連呼行為
②氏名または氏名を類推させることの記載
③公共施設内での文書図画の配布
①については、「女性によし」などと書かれた紙を配布していたグループが誰かの名前を叫んでいたのを聞いたような、、、駅前の雑踏のせいで空耳しただけですね。
②はグレーですよね。防衛大臣・環境大臣は小池氏だけですが「初の女性都知事を」であれば、小池氏以外にも武井氏もいましたし、「ジャーナリストを」であれば上杉氏もそうですし、「元総務大臣」は増田氏だけだったような気がしますが、いずれにせよ氏名が書かれていないので。
③は今回見かけませんでした。どなたか見た方いますか?
「初の女性都知事を実現させる都民の会」は、いわずもがな、小池百合子氏、「あたたかさと夢あふれる東京を実現する会」は増田寛也氏、「都政を都民の手に取り戻す会」は鳥越俊太郎氏をそれぞれ応援していた団体です。
余談ですが、正直「あたたかさと~」のビラは誰のことだかわかりづらかった気がします。「元総務大臣の候補者に東京の未来を託してください」と書かれていても、政治に関心のない層からすれば「誰?」じゃないでしょうか。男性のイラストが入っていますが、メガネがなくてますます「誰?」感が否めない。小池氏や鳥越氏のようなキャラ立ちがなく、これと言って特徴的な外見でもないので致し方ないのでしょうけれども3候補の中で唯一のメガネだったのでそれくらいつけても良かったんじゃないかなと思わずにはいられません。あんまり似せちゃうと良くないのはわかりますが。
鳥越氏の「都政を都民の手に~」は一目で鳥越氏とわかるイラストを用いていたので、増田氏のそれと比べるとインパクトがあります。小池氏の「初の女性都知事~」は百合子グリーンを前面に出した葉っぱの写真に大きく「初の女性都知事~」と書かれていますから、これもわかりやすかった。
では、確認団体を組織するメリットとは何でしょうか。選挙はとにかく、覚えてもらうことが大切です。簡単に候補者を覚えてもらうにはビラが手っ取り早いので、ビラをヒントに考えます。
通常、選挙運動用のビラというのは候補者名が明記されていて、選挙管理委員会が交付する証紙が貼られています。
しかし、確認団体が作成するビラには候補者名が明記されておらず、証紙も貼られていません。証紙の代わりに、「確認団体用ビラ」と隅の方に書かれています。
公職選挙法では配布できる選挙運動用のビラの枚数と種類が制限されており、以下のように定められています。いずれも配布できるビラの種類は2種類以内と定められています。
・衆議院比例区:配布不可
・衆議院小選挙区:70000枚
・参議院比例区:250000枚
・参議院選挙区:小選挙区が1の場合は100000枚
選挙区が1増えるごとに15000枚追加、上限300000枚
・都道府県知事:
小選挙区が1の場合は100000枚
選挙区が1増えるごとに15000枚追加、上限300000枚
・指定都市の市長:70000枚
・指定都市以外の市長、特別区の区長:16000枚
・町村長:5000枚
上記を踏まえて考えますと、確認団体を組織して活動することで配布できる枚数も種類も制限がかからなくなります。また、本人が街頭演説をしている間に別の場所でビラ配り等の活動ができます。本人のビラは街頭演説周辺や演説会場で運動員の腕章をつけたスタッフのみが配布できますが、確認団体であればその縛りはありません。
しかしながら、政治に関心が薄い層に対して訴えるには、知名度がなく且つこれといったインパクトのない候補者が確認団体を組織するメリットがあるとはそれほど思えません。
なぜならば、氏名をビラに明記できない以上「誰?」だからです。
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