[Q&A]署名運動が公職選挙法違反になることはあるのか
- 2016/8/15
- 公選法Q&A
「署名にご協力をお願いします」
駅前や街頭でさまざまな問題に対する署名運動を目にします。純然たる市民活動としての署名と政治の境目はどこにあるのでしょうか。
公職選挙法では署名運動について以下のように定められています。
(署名運動の禁止)
第百三十八条の二
何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人に対し署名運動をすることができない。
この「選挙に関し」というのは、特定の選挙を指すため、不特定多数の将来的に行われる選挙は該当しません。
例えば、A市の市長選が直近で予定されていて、且つ数か月後には市議選が予定されているという場合、その署名運動がA市長選に関わるものであればA市長選のみがその対象となるが、A市長選と関わらない署名運動であれば問題ないという解釈になります。しかし、A市長選だけでなくA市議選にも影響のあるものであれば、A市議選もその対象となり、署名運動は違反となります。
署名運動の行われる範囲内については、もしもその署名運動がA市外で行われているものだとして、A市長選に影響を及ぼすものであればそれはこの「署名運動の禁止」に当てはまります。
また、実際に署名運動を行ったが署名が全く集まらずにゼロだったとしても、署名運動をしていたという事実が認められれば、勿論違反となります。
過去の事例をご紹介します。
①A党の政策に対する反対の署名運動
②B党の政策に対する賛成の署名運動
③衆議院議員選挙において行われた、ある法案の反対の署名運動
④C党名義での物価値上げ反対の署名運動
このうち、①~③については「選挙に関し当選を得もしくは得しめない目的をもって」なされたのでなければ違反にならないとされましたが、④については政党所属候補者の当選に有利に作用するという程度を超えるとされる場合は違反であるとされました。③と④の違いは何なんだ、というのはさておき、そのようになっています。
この「署名運動の禁止」の趣旨として、特定の候補者を支援・または支援しないという意思の表明とみられるような署名を禁止すべく定められたとされています。
署名と言えば、今年の4月26日に苫小牧の高校で教員が生徒に安保法反対を求める署名を呼び掛けるビラを生徒に配布し、校門前で生徒に対し署名運動を行い、学校側が中止させたという報道がありました。上記を鑑みれば、公職選挙法違反には当たらないでしょう。
しかし、教育基本法第14条では「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」としています。
しかし、この苫小牧の高校で起きた件について、北海道高等学校教職員組合連合会の声明では「署名の訴えに応じた生徒の確認を求めることは、生徒の思想・良心、言論・表現の自由を侵すものであり、まさに許しがたい行為である。」とあります。安保法の是非ではなく、あなたはどう思いますか?
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