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パリ市長選、マクロン大統領の懇願で保健相が急遽辞職し立候補へ。非難が強まる

フランスでは3月に統一地地方選が行われる予定で、マクロン大統領の与党「共和国前進(LREM)」のパリ市長選挙公認候補だったバンジャマン・グリボー前政府報道官が、14日(金曜日)に突然立候補辞退を表明した。これを受けて、マクロン大統領に出馬を強く要請されたアニエス・ビュザン連帯・保健相(厚労相に相当)が急遽、辞任と市長選への立候補表明を行った。

アニエス・ビュザン氏は元々血液学が専門の医師で、政党色のない専門家閣僚として新型コロナウイルス対策、病院危機、年金改革といった政権の最重要課題を担当してきた。一方、バンジャマン・グリボー前政府報道官は、元々は社会党の地方議員で、マクロン氏がオランド前政権(社会党)の経済相を辞任し、大統領選挙に立候補した時に同氏を支えた側近だ。市長選は、社会党所属の現職イダルゴ氏に、グリボー氏と共和国前進から公認を得られず除名された著名な数学者のセドリック・ビラニ氏、さらに中道右派の共和党所属のラシダ・ダティ元司法相が挑む構図だった。

グリボー氏に関しては、所属政党の共和国前進が市長選挙に関してビラニ氏陣営と分裂状態にあることもあり、世論調査では苦戦が伝えられていた。こうした状況の中、亡命ロシア人のパフォーマンス・アーチスト、ピオートル・パヴレンスキー氏が、グリボー氏と妻ではない女性とのプライベートな性的動画・メッセ―ジをインターネット上に公開し、これらが拡散したため、グリボー氏は14日、自分の家族をこういった中傷行為から守るために市長選出馬を辞退するとの声明を発表した。

マクロン氏にとって、パリ市は最大の大票田であるとともに前回の大統領選で9割以上の得票率を獲得したことから、市長選での勝利は再選へ欠かせないものであるようだ。しかしながら、新型コロナウイルス対策、病院危機、年金改革がそれぞれ正念場を迎えているときに、担当閣僚でありしかも政治経験がなかったビュザン氏が大臣を辞職し市長選に立候補表明したことは、職務放棄だとして大きな反発を呼んでいる。ビラニ氏との候補一本化を実現できるかも不透明であり、支持率トップを行くイダルゴ市長に勝利するのは簡単ではない。また、ビュザン氏の後任には、神経内科医で下院議員のオリヴィエ・ヴェラン氏が就任したが、39歳と若く経験も豊富とは言えないことから、重要課題への対応を誤ればさらに政権への非難が強まることが予想される。

マクロン大統領は2017年の5月に就任して以来、支持率が低迷しており、1月末時点でも各主要世論調査の支持率平均が30%代前半となっている。パリ市長選挙でビュザン氏が敗北すれば、さらに苦境に追い込まれることが予想される。

「TheVote」担当記者

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