「やさしい日本語」という減災・防災のとりくみ
- 2016/3/20
- 特集記事
阪神淡路大震災で問題になった外国語での情報の少なさ。
私が以前から注目している防災・減災の取り組みのひとつに「やさしい日本語」という取り組みがあります。この取り組みが始まったのは1995年の阪神淡路大震災で外国人に対する情報提供に様々な問題があったことがきっかけです。神戸は外国人居住者がおおい土地であるにもかかわらず、震災時に外国語での情報の少なさが大きな社会問題になりました。行政では震災直後の混乱期に的確な情報を多種の外国語で発信することは事実上不可能でしたし、外国語ボランティアの方も自分たちが被災者になっていたり、他の地域のボランティアはなかなか現地に入れなかったりという事情もありました。しかしこの様な状況にあっても外国人の生命の尊厳は守らなければなりません。そのために考えだされたのが「やさしい日本語」です。
まず、弘前大学の佐藤 和之教授の作成された例文を見ていただければ、どんなものか理解していただけるのではないかと思います。
災害時のニュースや提供される情報には普段使わない用語も多く、日本での生活歴が短く地震等の災害についての知識や経験が少ない人の場合は特に理解が困難です。そこで「やさしい日本語」で上記のように、文を短くして用語を絞るという工夫をするだけで、理解できる人は格段に増えます。わたしがこの「やさしい日本語」の素晴らしいと思うところは、専門家でない人でも、これならなんとか作れそうだと言う点です。専門家でもなく外国語に堪能でもない私達のような普通の日本人でも、外国人をサポートできる方法がこのような身近にあることに私は大きな可能性を感じています。
防災訓練で「やさしい日本語」の研修を。
行政が外国語で情報を発信することは、限られた言語なら可能かもしれませんが、それ以外の言葉を母国語にする方々にとってはかえって差別になる可能性もあります。そういう面でも、まずは「現地語」である日本語で外国人に理解しやすい情報発信をすることは意味があります。私はこの「やさしい日本語」についての講習・研修を今後の防災訓練等で取り入れていくべきだと考えています。
(ちなみに例文では「避難所」という多少難解な単語をそのまま使っていますが、これは重要な災害用語なので当面何度も触れることになり、今後の自分の行動を決める際の重要な情報になるため覚えておいたほうがよいという配慮から、解説付きでそのまま使用しているとのことです。)
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