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今更だけど…アメリカの大統領ってどうやって選ばれるの?

アメリカの大統領選挙で盛り上がっていますが、そもそも大統領はどうやって選ばれるの?
今回はそんな今更聞けない疑問に着目していきます。

オリンピックイヤーのアメリカの大統領選挙

アメリカの大統領選挙は4年に1度、オリンピックの年になんと約1年もかけて行われます。国会議員の中から国会の議決で指名される日本の首相とは仕組みが全然違いますね。

大統領選挙に立候補できる条件

立候補できる条件は、アメリカ生まれで35歳以上。アメリカに14年以上住む必要があります。
(以前、外国人参政権について書きましたが、アメリカの場合、帰化すれば被選挙権を含むあらゆる参政権が付与されますが、この大統領選挙の被選挙権だけは例外として帰化した市民には認められていません。)
この条件さえ満たせば、誰でも立候補する資格があります。しかし、アメリカはこの100年以上、民主党と共和党の二大政党のどちらかの政党から選ばれています。もちろん、民主党や共和党の候補でなくとも大統領になることは可能ですが、二大政党以外から立候補するためには、各州で一定数以上の署名を集める必要があります。署名が集められなければ、その州では立候補できないため、そのハードルはとても高く、どちらかの政党の候補者にならないと大統領になれないともいえるでしょう。

予備選挙と最大のヤマ場「スーパーチューズデー」

大統領選のはじめはまず、候補者選びの予備選挙から始まります。アイオワ州・ノースダコタ州などは党員集会によって決まります。
予備選挙は非公開投票、党員集会は公開投票です。大統領選挙のある年の2月~6月にかけて行われ、各州の党毎の候補者が選出されます。
2008年の大統領選挙では連日ニュースでヒラリー・クリントンとバラク・オバマの候補者争いが取り上げられ、本選挙のような錯覚に陥っていましたが、あれは予備選挙だったんですね…。
この予備選挙・党員集会の特徴は、各州の有権者が、自分が選びたい候補者を支持している「代議員」に投票するという間接選挙の方式をとっている点です。
代議員は、州によって人数が異なり、人口に比例して配分されています。

予備選挙最大のヤマ場は「スーパーチューズデー」と呼ばれる3月第1週の火曜日です。両党の予備選が集中する日のため、毎回大統領選ではこのスーパーチューズデーが注目されるのです。

党の候補者が一騎打ちの本選挙

そして各党の候補者が選出されると、それぞれの党の候補者が一騎打ちの本選挙を行います。この本選挙は7月~11月にかけて行われます。予備選は州別に順々に行われていくのに対して、本選挙は全米で同日に行われます。
本選挙で有権者は、各州の「選挙人」を選んで投票します。選挙人は予備選の代議員同様、どちらの候補を支持しているか表明している(ただし、約束通りの候補に投票する義務はない)ので、間接的に大統領を選ぶ形になります。選挙人は、各州上院議員と下院議員の数と同数の535人に、上下両院議員が存在しない首都ワシントンD.C.には上選挙人が3人割り当てられているので、その合計の538人です。過半数獲得した候補が勝利するため、270人以上の選挙人を獲得すれば、アメリカ合衆国大統領になることができます。
50州のうち48州は、最多得票数の候補者がその州に割り当てられた選挙人を総取りする「勝者総取り方式」で、全ての州で獲得した選挙人数の合計が、最も多い候補者が大統領に選ばれます。そのため、実際には獲得した得票数が少ないのに、選挙人の数は多いので、大統領になることもあります。例えば、2000年の大統領選挙では、アル・ゴアの方が得票数が多いにもかかわらず、ジョージ・ブッシュの方が獲得した選挙人の数が267対271で上回ったため、大統領に選ばれました。

連邦国家アメリカ

日本人の多くは州=都道府県のイメージかと思いますが、実際には州=国家という感覚の方が近いかもしれません。州ごとに大統領候補を選び、州を代表して選挙人が大統領を選ぶシステムは、一見時間もかかるし、なんでこんなに複雑なシステムにしているのかと思われがちですが、州の独立性を保つ重要な意義があるのです。

平原友梨香

平原友梨香TheVote.jpコラムニスト

投稿者プロフィール

政治に関して勉強中の初心者のライター。政治や経済のちょっとした疑問などを、ゆる〜い記事でアップしていきます。

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