11月の米国大統領選挙に向けた各党の候補者を選ぶ予備選挙が19日,大票田のニューヨーク州で行われました。
多数の現地報道は,ニューヨーク州選出の上院議員を2期務めたヒラリー・クリントン (68) 候補と,ニューヨーク市・ブルックリン生まれの民主党はバーニー・サンダース (74) 候補による地元対決となった,291人の代議員という大票田での民主党の予備選挙は,ヒラリー候補が58%の得票率で勝利したと報じました。
ヒラリー候補はニューヨーク市内で行った勝利会見で「ふるさとほど(勝てて)良い所はない」と地元での勝利に歓喜し,「選挙戦は最終段階に入り,勝利は見えてきた。さらに前に進み続けていく」と手ごたえを感じました。
この1か月間8戦7勝と激しい追い上げを見せながらも敗北したサンダース候補は「11月の本選でトランプを大差で負かすことができるのはヒラリーではなく私だ」と食い下がり,選挙戦を続ける姿勢をみせました。
共和党はドナルド・トランプ候補 (69) が,他の候補を圧倒する60%の得票率で勝利しました。マンハッタンの5番街に自身が保有する「トランプタワー」で開いた集会で,「きょうの勝利は、本当にすばらしい。勝利者として党大会に乗り込む」と自信を見せ,「テレビで見る限り,もはや大した選挙戦ではなくなった。(代議員数で2位のクルーズ氏について) 数字の上で排除されたのも同然だ」と勝利宣言し,支持者を前に気勢を上げた。
今回の予備選について,米・大手紙のワシントン・ポストは,共和党側の勝者であるトランプ候補の勝因について「思ったことをそのまま言うトランプ氏の性格がニューヨークの人たちの胸に響き,労働者層の支持を得たのに加えて,無党派層や民主党嫌いの人にも共感が広がった」と分析しています。また,民主党側の勝者であるヒラリー候補の勝因については,「アフリカ系の有権者と女性票を強く引き寄せて勝利した」と,地元紙のニューヨーク・タイムズが分析しています。
今月は米国本土北東部,いわゆるニュー・イングランドの5州でも予備選が行われる予定です。
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